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「ふりかえる裾野」は、「広報すその」の一つのコーナーとして、184 回・12 年6カ月の長きにわたって連載されたものです。
広報紙への第1 回掲載は昭和58年4月15日号にさかのぼります。当初、裾野地方の懐かしい思い出を広報紙で紹介してほしいとの要望があり、田口勝夫氏に写真と文章を寄稿していただいたのが始まりです。毎号貴重な写真と軽妙な文章で、戦後の富士山麓の素朴な暮らしぶりが紹介され、『広報すその』の人気コーナーとして多くの市民に愛され続けました。
田口氏の温かい眼差しの感じられる写真は、現代人か忘れかけた素朴な心や、ひたむきに生きることの大切さを、そっと語りかけてくれるようです。時代が昭和から平成に移ってからも、それらが私たちの心に一層強く訴えかけてくるように感じられます。
この本には、昭和20年代後半から、昭和30年代の裾野地方の思い出が凝縮されています。この思い出は、寄稿者・田口氏の思い出のみならず、同時代に生きた人たち共通の思い出ではないでしょうか。『ふりかえる裾野』の出版が、戦後の裾野地方の風俗習慣を記した読み物として、多くの皆さんが一読され、懐かしい記憶として、21世紀へ伝える貴重な史料ともなりうるものと期待しています。そして、戦後50年の節目の年にあたり、私たちが歩んできた道のりを、振り返っていただく一つのきっかけとなれば幸いです。
終わりに、田口勝夫氏は平成7年8月13日に永眠されました。事実上、『ふりかえる裾野」は、氏の遺稿集となりました。
平成7年10月1日
裾野市長 大橋俊二
『ふりかえる裾野』の編集に当たっては、広報紙掲載の原稿を最優先に考え、写真についても、広報紙で使用したものを用いるようにしましたが、一部見当たらないものに関しては、田口勝夫氏が撮影したフィルムをご遺族より拝借し、文意を損ねない範囲で、別のカットを用いました。
また、それでもままならない写真については、広報紙からそのまま転載させていただきました。
そのため、一部不鮮明な写真が使用されていることをご了承ください。
「ふりかえる裾野」の写真の使用
掲載されている写真を他の出版物や展示会等で利用する場合は、使用届出書を提出してください。
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