157.おかいこさん

更新日:2017年03月27日

撮影:昭和35年7月

この地域は、戦前中駿地方と言われ農村地帯でした。

しかし、農耕面積が狭小で農作物も産地的な産物は少なく、個々の農家によってあらゆる作物が栽培されていましたが、経済的には恵まれていたとはいえませんでした。

このような農家経済の中で養蚕は大きな財源でしたから、養蚕農家では『おかいこさん』と呼んで大事に大事に飼育したものです。農協泉支所あたりに繭市場があり、繭かきが終わると父が大きな袋に繭を入れて、天秤棒で担いで売りに行くと、家内中でその成果を期待して父の帰りを待ちわびていたものです。