69.彼岸過ぎて

更新日:2017年03月27日

撮影:昭和32年3月

その昔、日本陸軍の兵士がかぶった戦闘帽を格好よくかぶり、手拭いを首に巻いて、まさに農業戦士、老兵は死なずただ働くのみ、といったいで立ち。ガタガタしたってしょうがないネエ。一服やるべエ、エヘヘヘエ……。腰から引き抜いたタバコ入れ、キセルの鞘の割れたところに紳創膏を巻いたところなど当時を坊桃とさせます。「彼岸過ぎての麦の肥」だからな遊んじゃあいられネエヨ、と笑っていた。麦作は彼岸過ぎてから追肥をすると、おそ出来がして減収するとの意

味なのです。このおじいさんいまも元気でいるだろうか。