95.いしくのわざ

更新日:2017年03月27日

撮影:昭和33年5月

石工とは、石の細工をする職業の人たちで、いしく、石屋さんと呼ばれます。いしくと呼ばれる人たちがいつの時代に生まれたかは知りませんが、機械のない時代に大工事を世に残した歴史が忍ばれます。大坂城をはじめ、名城の石垣積みなどはその最たるものでしょう。私の父も元は石屋でした。石切場の高い所に登り命綱に身をゆだねて火薬を仕掛ける穴を堀り、爆破して大きな石を落とし、ケンチという石を切り出して名古屋方面へ送り出していました。谷間にこだまする金槌の音、石切唄が子どものころの思い出に今もはっきりおぼえています。現代社会では、重労働を必要とする職業を希望する若者が非常に少ないと聞いていますが、今後どれ程機械力が進んでも、人の手を必要とする職業は希少価値的職業と言えるのではないでしょうか。