15.木の葉かき

更新日:2017年03月27日

撮影:昭和28年11月

この頃の農家では、秋の収穫がすみ、麦の種子蒔きが終わると、木の葉かきが始まります。この木の葉は、サツマグラ(甘藷の苗床)や春野菜の苗床の壌熱材料として、また苗床終了後の堆肥として欠くことのできないものでした。山林の雑草を刈り、木の葉とともに丁寧にかき集め束にして馬力に乗せて運搬し、庭へ山積みにするのです。

馬力とは馬に引かせる荷車のことで、この馬力が農家最大の運搬車でした。毎日馬力に木の葉を山ほど積んで、正月前にどれだけ沢山積み上げるか隣り近所で競い合ったものです。この風物詩も今では見られません。