富士山が世界遺産に登録決定 富士山-信仰の対象と芸術の源泉
平成25年6月16日から27日までカンボジアの首都プノンペンで第37回世界遺産委員会が開催され、富士山が世界遺産に登録されました。国内では17件目の世界遺産です。
富士山は、美しく荘厳な姿から、時代を超えてさまざまな信仰の対象となり、また優れた多くの芸術作品に取り上げられるなど、まさに日本文化の源となってきました。古くから現代まで人々にさまざまな思いをかき立ててきた富士山。世界遺産登録はゴールではなく、人類共通の財産として未来へ引き継いでいくための新たなスタートです。
世界遺産とは
昭和47年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で決められた世界遺産条約(正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」)に基づき、世界遺産リストに登録されている物件(遺跡、建造物や自然など)のことです。
世界遺産については、かけがえのない人類共通の財産として、国際的に保護・保全し、未来にのこしていくことが求められています。
世界遺産の種類
登録件数1,052件(平成28年12月現在)
文化遺産 | 814件 | 建造物や遺跡、文化的景観など タージ・マハル、万里の長城、姫路城、石見銀山とその文化的景観など |
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自然遺産 | 203件 | 地形や風景、生物の生息地など グランドキャニオン国立公園、屋久島、知床など |
複合遺産 | 35件 | 文化遺産と自然遺産の両方に登録されているもの マチュ・ピチュの歴史保護区、ウルル-カタ・ジュタ国立公園など |
世界遺産登録までの歩み
平成19年1月 世界遺産暫定リスト(各国が作成した世界遺産リストに登録するための推薦物件候補の一覧表)に記載
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平成19年6月 富士山が世界遺産暫定リストに記載されたことを世界遺産委員会で報告
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平成23年7月 静岡県・山梨県が推薦書原案を国(文化庁)に提出
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平成24年1月 日本政府がユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出
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平成24年8月~9月 ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)による現地調査
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平成25年4月 イコモスの評価結果の勧告 条件付きで世界遺産リストへの記載適当との勧告
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平成25年6月 第37回世界遺産委員会で審議、登録が決定
富士山の文化的価値と構成資産
富士山は、標高3776メートルと日本一の高さを誇る独立峰で、荘厳な円錐形の雄姿をもつ成層火山です。富士山は神仏の居所とみなされ、崇拝の対象として神聖視され、日本におけるさまざまな宗教・宗派を超えて信仰の対象とされてきました。
また、周辺から展望される富士山の荘厳な姿は、時代を超えて多くの人々に賞賛され、芸術的な創作活動に対する意欲をかきたててきました。特に江戸時代に浮世絵に描かれた富士山の図柄は、西洋美術のモチーフにも多用され、日本と日本文化を象徴するものとして海外にも定着しています。
富士山そのもののほか、周辺の神社、登山道や湖沼など富士山の文化的価値を証明する貴重な文化財が、構成資産です。当市の関係では、須山口登山道と須山浅間神社が構成資産になっています。
お知らせ
富士山に係る世界遺産委員会諮問機関(イコモス)による評価結果と勧告(平成25年5月1日)
富士山に係るイコモスによる評価結果と勧告が発表されました。
詳細は次のとおりです。
【第二報】文化庁報道発表資料(イコモス勧告) (PDFファイル: 325.6KB)
須山浅間神社の境内地と社叢を、国の史跡に指定(平成23年2月7日)
富士山は信仰の山としての価値を有していて、その歴史を物語るうえで必要な神社や登山道が、史跡「富士山」として平成23年2月7日、国史跡に指定されました。須山浅間神社は、須山口登山道の起点となっていて、江戸時代の富士講をはじめ、信仰面での富士山の顕著な普遍的価値を証明するうえで不可欠な資産であることから、境内地と隣接地(社叢)が国史跡に指定されました。
須山口登山道と須山浅間神社(世界遺産ニュースレターVol.9) (PDFファイル: 2.0MB)
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更新日:2017年07月31日