令和8年度施政方針

はじめに

令和8年裾野市議会2月定例会において、当初予算案および諸議案の審議をお願いするにあたり、市政運営に対する所信と、新年度における施政方針を申し上げます。

令和8年1月25日執行の市長選挙において、多くの市民の皆様より温かいご支援を頂き、引き続き2期目の市政運営を担わせて頂くことになりました。改めて、その責任の重さを実感すると共に深い使命感により身が引き締まる思いです。市民の皆様が共に幸せを実感できる「日本一幸せな裾野市」を目指して、全力で邁進して参ります。

決意と取組みについて

2期目のスタートを切るにあたり、今後の市政運営に当たっての決意と取り組みについてお話しします。

これまでの4年間は、裾野市の魅力を最大限に活かし、住んでみたい、働いてみたいと思われるまちの礎を築くことに専念してまいりました。その思いから、市役所組織の方向性を明確にする経営戦略として「市長戦略」を策定し、「人と企業に選ばれるまち」をビジョンに、「日本一市民目線の市役所」をミッションに掲げ、市役所一丸で取り組んでまいりました。

市長戦略の63事業については、全て着手済みであり、今後の裾野市の未来に向けた礎ができたと実感しています。また、私が市長に就任した4年前は「財政非常事態宣言」が発出されておりましたが、市長給与の3割削減という身を切る改革から始め、職員および市民の皆様と共に、行財政改革を成し遂げ、令和7年2月13日「財政非常事態宣言の解除」を行い未来への投資も可能としました。

財政健全化の取り組みとして、歳入増加にも力を入れ、トップセールスによる従業員数200人を超える複数の企業の誘致や、企業版ふるさと納税は令和4年度に全国1位を記録し、その後も高い水準を維持しています。個人版のふるさと納税については、令和5年度に比べておよそ5倍の寄付額達成となりました。

フロントヤード改革では、手続きのオンライン対応の拡充など、行かない・待たない窓口改革により、市民の皆様の窓口手続き時間を大幅に短縮しています。

また、民間による病児保育室「りんりん」開所への支援、妊娠期から子育て期までの保護者への支援・相談拠点の子ども家庭センター(すこっぷ)開設、こども医療費の完全無償化、駅西公園やせせらぎ児童公園の整備など、働く子育て世代を支える環境整備にも力を注いてまいりました。

1期目は未来への確かな土台を築く「再建と基盤づくり」でありましたが、この確かな土台の上で、2期目は市民一人ひとりが、「豊かさ」と「希望」を実感できる成果をお届けするために市長戦略2.0を作成し施策を行っていくことで「飛躍」の4年間としてまいります。その飛躍のための主な取り組みを5つご説明します。

1つ目は、日本一の子育て・教育環境の整備です。

子育て世代の経済負担を軽減するために小中学校の給食費の完全無償化、第二子以降の保育料の無償化を目指します。あわせて未来の子どもたちの学びに最適な教育環境を実現するため学校再編を計画的に推進します。

2つ目は、地域経済および産業の活性化です。

地域経済を牽引する拠点として、道の駅の整備を目指します。また、産業の活性化と企業誘致に向け、新たな工業用地を整備するとともに、新東名高速道路へのスマートICの設置を目指します。さらに、裾野駅西口の賑わいと交流の中心地を創出するにぎわい拠点施設の整備を加速させるほか、周辺のにぎわいづくりに資するリノベーションなどの取組も進めます。

3つ目は市民目線の市役所改革の継続です。

引き続き、「頼りになる窓口」の実現を目指し、行政手続きのオンライン化率を90%以上の達成を目指します。民間人材の登用を継続するなどの組織改革を進める一方、PPP/PFIなどの官民連携の手法も積極的に検討・採用することで、より効率的で質の高い市民サービスを提供してまいります。

4つ目は、安全・安心の暮らしの提供です。

市民の命を守る、健康を維持するため、地域医療の中核である裾野赤十字病院への支援を継続します。また高齢者も安心して外出できる移動手段としてAIオンデマンド交通等の新たな交通システムの実証等も目指します。また2050年の達成目標のカーボンニュートラルの推進や、防災・減災対策にも力を入れてまいります。

5つ目は稼ぐ財政への転換です。

自主財源を確保し、持続可能な市政運営を実現するため、個人版のふるさと納税を強化するためにトップセールスもさらに強化してまいります。併せて公共施設の再編による歳出削減や企業版ふるさと納税による歳入確保を促進し、財政の健全化を引き続き図ります。これらの財源確保と並行して、官民連携による業務の効率化に挑戦することで、財政指標を遵守し、将来投資を支える持続可能な財政運営を行っていきます。

令和8年度予算概要

予算の概要について申し上げます。

令和8年度当初予算は、引き続き中長期的な財政状況の安定性を保ちつつ、将来の市の経済・産業発展に資する将来投資事業に取り組む予算として編成しました。

一般会計の総額は245億5,100万円です。前年度当初予算と比べて8億5,900万円、3.6%の増となります。

特別会計は総額113億9,305万円です。前年度当初予算と比べて3億8,135万7,000円、3.5%の増です。

事業会計は総額27億8,741万8,000円です。前年度当初予算と比べて2億5,362万円、10.0%の増です。

一般会計、特別会計および事業会計を合わせた総予算額は387億3,146万8,000円となり、前年度当初予算と比べて14億9,397万7,000円、4.0%の増となりました。

次に、令和8年度の一般会計歳入見込、財源配分につきましてご説明申し上げます。

歳入では、普通交付税の交付団体を見込むものの、令和7年度の税収増加に伴い、交付税そのものは減少を見込んでいます。

市税では108億1,364万円で、前年度当初予算と比べて4億9,059万8,000円、4.8%の増を見込んでいます。

地方消費税交付金は、今年度の交付実績による見込み、および社会情勢による増を見込み、前年度比11.7%増の16億4,847万5,000円を計上しました。

地方交付税は、令和6年度決算における歳入増加などによる普通交付税の減少を見込み、前年度比24.4%減の1億8,003万6,000円を計上しました。

国庫支出金は物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金等の減により、前年度比8.4%減の42億5,722万4,000円を計上しました。

寄附金は、集会所建設事業費寄付金の減により前年度と比べて2,740万7,000円、12.6%の減の1億9,042万1,000円を計上しました。

市債は、事業債の増により、前年度と比べて3,050万円、1.7%増の18億4,890万円の発行を見込んでいます。

歳出では、令和7年度人事院勧告に伴う人件費の増、生活保護費、自立支援給付費などの扶助費の増、放課後児童健全育成事業、予防事業費などの物件費の増など、物価高に伴うさまざまな分野におけるコストの増加に対応する経費増加を見込んでいます。

国の地方財政対策や経済動向等を参考に、さまざまな行政課題に対応するため行政サービスを安定的に供給できる経費を確保し、さらに主要事業など裁量的経費への配分を行いました。

なお、財政調整基金の、年度内取り崩しと決算剰余金等の積み立てによる減少額は年度末時点で8億2,607万3,000円を見込み、これは今後の財政見通しにも反映をしています。

令和8年度主要事業

令和8年度の主要事業について、第5次裾野市総合計画後期基本計画の施策の大綱に沿ってご説明します。

1つ目は「ひとりひとりが役割を持ち輝けるまち」子育て・教育・健康・文化に関する事業です。子育て世帯の経済的負担を軽減するため、令和7年度に完全無償化しましたこども医療費助成を継続します。子育て相談や交流の充実を図るために乳幼児育児教室事業を開催するほか、新たに外国人対応翻訳機の導入を行います。病児を抱える保護者を支援するために、病児・病後児保育を継続します。

幼稚園・保育園の再編統合は、西地区の保育施設のこども園化に着手します。学校再編では、富岡中学校のリニューアル工事の基本設計および東中学校転用工事に着手します。また、学校教育環境の充実に向けた投資や学校給食の物価高騰にも引き続き対応してまいります。市民の健康の維持・向上としては、健康マイレージ事業を実施します。その他の施設関係については、陸上競技場トラック改修を実施するほか新学校給食センターにPFI手法を導入するためのアドバイザリー業務を実施して行きます。

2つ目は「地域資源を活用した魅力あふれるまち」産業・観光に関する事業です。地域産業のイノベーションの推進として、市内を実証・検証の場として開放し、市内事業者の新規事業創出や、共創型実証フィールド創出事業を実施します。さらに、裾野駅周辺において、空き店舗や空き家などの既存ストックを活かす、リノベーション推進事業を実施します。

企業等の新規立地等を支援するため、企業立地促進事業を実施するほか、下和田地区の工業用地開発候補地においては、工業用地等開発可能性詳細調査を実施します。さらに、中小企業等の人材確保を促進するための奨学金返還支援事業や就職相談会を実施します。森林資源の保全と地球温暖化対策の取組としてJクレジット創出等の事業に着手します。

3つ目は「安全・安心に住み続けられるまち」環境・防災・医療・地域福祉に関する事業です。環境に関して公共用水域の水質汚濁等を防止するため、浄化槽設置整備事業補助金については、これまで対象外だった宅内配管工事や浄化槽撤去工事も補助対象とします。また、剪定枝を木質ボイラー燃料に活用するためのリサイクル事業も実施します。

減災のための対策としては、感震ブレーカーの設置や防災ベッド整備の補助金を創設します。また、防災意識の向上および的確な避難に繋げるために河川や内水の氾濫の対応を含めハザードマップの見直しを行うと共に、避難所の環境整備事業も実施します。

高齢者や障がい者支援の拡充による地域福祉の充実を図るため、高齢者の補聴器の購入費助成や視覚障がい者の外出支援事業を行っていきます。

4つ目は「将来を見据えた暮らしや活動を支えるまち」都市・交通・社会基盤に関する事業です。下和田・須山地区の工業団地造成に向けて、都市計画区域区分の変更を進めるため調査・資料の作成を進め、関係機関との協議を実施します。また、賑わい創出を含めた裾野駅西土地区画整理事業、岩波駅周辺整備事業や都市計画道路平松深良線稲荷工区を継続するほか(仮称)御師公園・せせらぎ児童公園等の質の向上に向けた整備を行ってまいります。

5つ目は「時代のニーズに応えられるまち」市民自治・都市経営に関する事業です。時代のニーズや効率的かつ機能的な業務運営を行うと共に、質の高い市民サービスの向上を目指して市役所組織の見直しを行います。職員の専門性知識の向上の研修や、優れた人材確保のための職員採用などにも対応していきます。また首都圏から定住・移住を促進するため、移住・就労支援金を継続して行っていきます。ふるさと納税に関しては、新規返礼品の開拓や既存返礼品の魅力向上に努めブランド力の強化を行っていきます。

令和8年度組織改編

市役所組織の見直しについてです。

1つ目はデジタル部の再編についてです。デジタル部は、情報システム基盤の整備や電子決裁の導入、フロントヤード改革および基幹業務システムの標準化など、集中的なデジタル化を推進し一定の成果を上げてまいりましたが、今後は、デジタル化を専門部署が担う段階から、全庁の業務に組み込み、業務改革と一体で定着させる段階へ移行することから、業務改革課および情報システム課を統合し、庁内管理を担う総務部へ再配置します。

2つ目は、企業誘致や中小企業支援、地域産業の振興、さらにスタートアップ育成を一体的かつ戦略的に推進するため、これまで産業振興部が担ってきた産業施策の一部を市長戦略部へ集約し、体制を再編します。この見直しにより、産業振興部は、観光振興、商業活性化、農林業支援といった地域経済の基盤を支える分野に、これまで以上に専念できる体制となります。これらの分野は、地域に寄り添った政策を展開するうえで極めて重要な役割を担うものです。

役割の明確化と機能強化を踏まえ、産業振興部は「地域経済部」として新たなスタートを切ります。今後は、地域の魅力を高め、持続的な経済成長を実現するための施策を、より力強く展開してまいります。

むすびに

繰り返しとなりますが、

私の1期目のスタートは財政非常事態宣言下であり、未来への投資はおろか、市民サービスの水準維持さえ危ぶまれた状況からのスタートでした。その中で議員、職員、市民の皆様と一緒に財政の健全化を目指して汗を流してまいりました。そのかいもあり財政非常事態宣言を解除することができました。

これからの4年間は、市民の皆様の期待に応え、確かな成果をお届けするために、私自身が先頭に立って汗をかき、困難な課題にも職員と協力して果敢に挑戦していく覚悟です。「人と企業に選ばれるまち」のビジョン、「日本一市民目線の市役所」のミッションを更に確個たるものにして行きます。これまでは再建の4年間でしたが、市民の皆様が、豊かさと希望を実感できる飛躍の4年間としてまいります。私からの施政方針とします。

議員各位のご賛同と共に、市民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

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更新日:2026年03月27日