2022年度10月臨時記者会見(2022年10月27日開催)

裾野市民文化センターのスプリンクラー作動による浸水被害の件について

市長発言全文

 本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 今回被害にあわれましたシンフォニエッタ 静岡の皆さまには、負傷された方もあり、また、大切にされている楽器などが被水し、ご心痛ばかりかとお察し申し上げます。

 心からお見舞い申し上げます。

 本日は、10月5日の定例記者会見以降に判明した被害状況や、今後の市としての対応方針につきまして、ご説明をさせていただきます。

1 被害状況の報告

(1)シンフォニエッタ 静岡の被害状況について

 まず、被害状況についてです。

 シンフォニエッタ 静岡様の被害状況の調査については、従前のとおり、指定管理者において実施しています。

 これは、市と指定管理者との間での基本協定書に基づき、自主事業の実施主体であって、楽団との契約主体でもある指定管理者において実施することとしたものです。

 一部では、「市から楽団に対して正式な被害状況の調査が無い」といった報道がされておりましたが、本件については正式なものとして指定管理者が調査を実施しており、ご指摘は当たらないと考えております。

 指定管理者からは、今月中を目途に被害状況についてシンフォニエッタ 静岡様から報告があると聞いており、現在も調査中です。

(2)市の被害状況について

 続いて、市の被害状況についてです。

 大ホールを最低限利用可能な状況にするために必要な額として、総額では約1億5,900万円と積算しています。

 内訳は、

 ・幕や照明を吊るす装置などの舞台機構が約6,870万円

 ・フロアや天井のライトなどの舞台照明が約6,130万円

 ・マイクやミキサーなどの舞台音響が約830万円

 ・修繕不能なピアノの購入費用が約2,080万円

となっております。

 これらは、最低限の修繕費用であり、汚れたりしわになったりしている幕類などの修繕を加えれば、さらに復旧費用が必要になると想定しています。

 なお、これらを復旧し、大ホールを再開する見通しは、現在たっていません。

2 今後の対応

(1)総論

 続いて、今後の対応についてです。

 お伝えしておりますとおり、点検業者からは、事案発生当日の調査の結果、スプリンクラーに異常や故障はなかったと報告を受けています。

 そのため、事案発生から約1か月間、点検業者による再調査や、人為的な操作の可能性を想定した、警察による捜査などを行ってまいりました。

 しかし、現在のところ原因は明らかになっておりません。

 このことから、第三者による事故調査委員会を設置することといたしました。

(2)事故調査委員会について

1.事故調査委員会の概要

 市は、本施設の所有者として、今回の事象の原因を究明し、再発防止を図らなければならないと考えております。

 そこで、公正で客観的な立場である第三者の専門家に厳正な調査をお願いすることにより、科学的で信頼のある結論が得られると考え、事故調査委員会を発足させることといたしました。

 まず、事故調査委員会の設置などについてお力添えいただくため、弁護士法人御宿長町法律事務所の御宿哲也弁護士を代理人として指定いたします。

 事故調査委員会は、公正・中立な立場からの調査を可能とするため、代理人弁護士の助言のもと、日本弁護士連合会が策定した「地方公共団体における第三者調査委員会調査等指針」に基づき、委員の選任などを行います。

 委員長については、現在、代理人弁護士のもと、工学的な観点から本事案の分析が可能な大学教授などの有識者を選任できるよう、既に調整を開始しております。

 他の委員については、客観性を確保するため、選任を委員長に一任する予定です。

 委員会は、出来る限り速やかに設置いたします。

 設置の時期については、委員の選任に加え、関係条例の整備と予算の確保が必要になることから、11月上旬に臨時議会を開催した後、速やかに設置することを予定しています。

 調査に要する期間は、委員長の判断が必要となるため、現時点では未定ですが、出来る限り早期に結論を出すことができるよう、市として協力を行ってまいります。

2.シンフォニエッタ 静岡様に対する補償

 最後に、シンフォニエッタ 静岡様に対する補償についてです。

 冒頭にもお話ししましたとおり、負傷した楽団員、大切な楽器を損なわれた方のご心痛は察するに余りあり、心からお見舞い申し上げます。

 当市を訪れてくださった皆さまがこのような被害にあわれましたことは、大変心苦しく思っております。

 しかし、補償を行うためには、スプリンクラーの設置や管理に瑕疵があったと認められることが不可欠です。

 現在は、点検業者から異常や故障は無かったと報告を受けており、人為的な操作の可能性も視野に入れて、警察の捜査なども実施してまいりましたが、いまだ原因は明らかになっておりません。

 だからこそ、市民の大切な税金を預かる立場として、まずは原因を明らかにする必要がある、というのが市としての一貫した主張です。

 ですので、設置や管理に瑕疵があったと認められなければ、公金を拠出し、補償をすることはできかねます。

 原因究明を加速するため、事故調査委員会を設置することとしましたのは、先ほど申し上げたとおりです。

 市といたしましては、事故調査委員会の設置により、一刻も早い原因究明を行うことができるよう、全力を尽くしてまいります。

 報道各位におかれましても、今後もご協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

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更新日:2022年10月27日