令和5年度施政方針

はじめに

令和5年裾野市議会2月定例会において、当初予算案ならびに諸議案の審議をお願いするにあたり、市政運営に対する所信と、新年度における施策の大要を申し上げます。

私が、昨年の1月29日から市長として市政を担うこととなってから1年が経過しました。長いようで短い1年ではありましたが、皆様方のご協力のもと、未来へとつながるいくつかの成果を挙げることもできたと考えています。

昨年は新たに企業誘致専門部署である渉外課を設置した上で、「企業立地方針」を策定し、トップセールスを行い、誰もが知る大手企業に立地していただくことができました。

保護者の皆様と話し合い、東地区における学校再編へ一定の道筋をつけ、「床から人へ」という信念のもとに、本来の目的である教育の質向上という課題へ向けて取り組んでまいりました。

中止を余儀なくされていた各種イベントへの支援を復活させ、地域の社会・経済活動を復調させる一助としたことは、多くの皆様から「ようやく交流回復の兆しが見えた」との喜びの声を伺いました。

そのような取り組みを継続する中で、就任から2年目を迎えることとなりますが、ここで初めて私がゼロから予算編成に携わった令和5年度当初予算案をお示しすることとなります。

選挙戦の中で、市議会議員時代に私自身が考えていた政策や課題を公約の中に落とし込み、市民の皆様にお示ししましたが、令和5年度当初予算案は本来の意味で、私がお約束した公約を実現するためのスタートとなるものです。

また、新型コロナウイルス感染症予防対策も5月には大きな変化を迎えることとなります。収束に向けた対応等は新たに発生することと思いますが、これまでの感染症予防対策によって生まれた新しい働き方や価値観、取り組みなど、未来へとつながる可能性も見えています。私は市長として、こういった未来への可能性をなくさないこと、昨年も実施したさまざまな施策の種が芽吹き、大きく育つよう、今後も、「人と企業に選ばれるまち」を実現するため、「日本一市民目線の市役所」を目指して、市政運営にあたっていきたいと考えています。

新しいことへのチャレンジも積極的に実施していきます。本年は、予算編成に先立ち新たに策定した「市長戦略」の実現のため、職員の職場環境をこれまでとは大きく変え、常識にとらわれることなく、柔軟な発想で、より良い行政サービスの提供に繋げていきます。

裾野市と市民のために職員一丸となって、精一杯活躍することを誓い、冒頭のあいさつとさせていただきます。

新年度の市政運営方針

昨年の施政方針の際、お示ししました、

1 財政改革

2 市役所人事・組織・行政改革

3 社会基盤整備・ライフライン・道路

4 子育て・教育

5 医療・福祉・障がい者支援

6 高齢者・介護

7 防災・防犯・市民安全

8 産業発展・企業誘致・人口増加・農業

9 移動・公共交通・渋滞緩和

10 ICTの活用

の10項目ですが、この項目を実践するにあたり、先ほども申し上げました「市長戦略」を策定しました。

残り3年間の任期を最大限活用するために、効率的かつ効果的な予算を組むに当たって、民間企業でいう経営戦略として策定したのが、裾野市役所の「市長戦略」です。

市長戦略は、総合計画と連動しながら、総合計画に上乗せする形で、4つの階層で構成しています。

まず、「ビジョン」、現市政が目指す裾野市の理想像を「人と企業に選ばれるまち」と新たに設定しました。続いて、「ミッション」、ビジョン実現のために組織が果たすべき役割は、従前のとおり「日本一市民目線の市役所」とし、ミッション実現のための行動指針を「綱領」として定めています。

そして、私の任期中に特に実現したい具体的な施策を「重点施策」として体系立て、予算編成において配分に重きを置いています。

更に、重点施策の推進に向けて組織を強化するため、いくつかの部と課を新設することとしました。組織の再編や、デジタルを活用した業務改革、職員の働き方改革を実践し、組織のパフォーマンスを向上させることが「人と企業に選ばれるまち」裾野市となる第一歩と考えています。

令和5年度主要事業

次に、市長戦略に掲げる5つの柱に沿って、主な事業をご説明申し上げます。

1つ目の柱は「人口と立地企業数の増加」に向けた取り組みです。

まず、教育の魅力向上に資する事業として、東小学校・向田小学校の学校再編のための工事実施設計を行うほか、子どもたちが再編後の学校生活に円滑に移行できるよう、再編対象校間の交流事業を行います。また、小中学校校務パソコンDX推進事業として、校務系パソコンと学習系パソコンを統合し、教職員の負担軽減と児童生徒に向き合う時間の創出を図ります。さらに、放課後学習支援事業として、放課後や長期休業中において、学校の空き教室等を利用した子どもたちの居場所づくり、地域住民の参画による学習支援を行います。

次に、地域の魅力向上に資する事業として、「通過するだけの街」という本市のイメージを払拭するため、「道の駅」整備事業として基本構想の策定を行います。その他に(仮称)御師公園整備事業、市夏まつりや富士山すその阿波おどり大会等への補助、本市の地理的・地勢的条件を最大限に活用したスポーツツーリズム事業、フィルムコミッション事業も継続して進めます。

次に、立地企業数増加に向けた環境を整備するため、産業集積ゾーンを中心とした工場立地適地調査、市街化調整区域における地区計画適用の基本的な方針の策定に着手します。また、新東名高速道路のスマートインターチェンジの開設に向けた検討を行います。さらに、岩波駅周辺整備事業として、北部地域における交通結節点としての機能の充実や生活利便性の向上を目指します。

 

2つ目の柱は「市民の抱える不安の解消」に向けた取り組みです。

まず、商業施設などの不足を解消することを見据え、建設部と産業振興部とが連携して、裾野駅周辺の賑わい拠点創出のための調査等を行います。

また、公共交通や道路の不便さを解消させるため、都市計画道路平松深良線整備事業、公共交通維持・確保事業、平松踏切改良事業、橋梁維持事業(長寿命化補修工事)なども引き続き進めてまいります。

 

3つ目の柱は「市民満足度のさらなる向上」に向けた取り組みです。

まず、市民安全の向上では、防犯灯整備事業として、各区が防犯灯を設置する際の補助金交付に加え、本市自らも防犯灯を増設していき、安心・安全なまちづくりを推進します。

地域福祉の充実では、障がいを持つ方への相談支援の中核的な役割を担う機関として、基幹相談支援センターを開設します。

子育て支援の充実では、幼児施設再編事業の一環として、市立水泳場跡地への私立認定こども園の誘致に向けた用地測量や地質調査等を行います。また、病気の回復期に至っていないため、集団保育と家庭での保育が困難な児童を一時的に預かる病児保育事業を開始します。さらに、保護者の育児不安の解消や子どもの健全な成長のため、産婦人科医・小児科医・助産師によるオンライン医療相談を令和4年度に引き続き実施します。

 

4つ目の柱は「財政健全化の実現」に向けた取り組みです。

ふるさと納税の税収増加対策として、現在主流となっているネットショッピング型の納税方法だけでなく、実際に現地を訪れた観光客等がその場で納税できる、いわゆる店舗型ふるさと納税の拡大に努めます。

 

最後に5つ目の柱は「組織の生産性の向上」に向けた取り組みです。

働きやすい職場環境を整備するため、ネットワーク基盤管理事業として、リモートワークやオンライン作業環境を構築していきます。

 

むすびに

以上、私の市政運営における所信と新年度における施策の大要について申し上げました。

議員各位のご賛同とともに、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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更新日:2023年02月22日