第2次国土利用計画裾野市計画
 

平成14年3月
裾 野 市

前 文

 国土利用計画裾野市計画は、国土利用計画法第8条の規定に基づき、長期にわたって安定した均衡ある土地利用を確保することを目的とし、裾野市の区域における土地の利用に関して必要な事項を定めるものである。
 この計画は、国土利用計画静岡県計画(平成8年3月)を基本とし、地方自治法第2条第4項の裾野市総合計画基本構想(平成11年3月)と整合を図って策定したものである。
 なお、この計画は、将来における社会・経済情勢の変化に対応し、適切な検討を加えて、必要に応じて見直しを行うものとする。


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前 文 

1 土地の利用に関する基本構想
 
 1)土地利用の基本構想

 2)土地利用区分別の基本方針

2 土地の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標
   
 1)土地の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標

3 2に掲げる事項を達成するために必要な措置の概要

 1)総合的な措置

 2)土地利用区分別の措置

4 地域別の概要と措置

 1)地域別の区分

 2)地域別の概要と措置

参考 土地利用現況図
    土地利用構想図

 
1 土地の利用に関する基本構想
 
1)土地利用の基本構想
 土地は、現在及び将来における市民のための限られた資源であり、市民生活及び生産活動の重要かつ共通の基盤である。
 このため、市域の土地利用は、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配慮しながら、公共の福祉を優先させ、かけがえのない自然環境を保全し、健康で文化的な生活環境を確保し、均衡のとれた発展を図ることを基本理念として、長期的展望のもとに総合的かつ計画的に行うものとする。


《本市の概況》
 本市は、東西を富士・愛鷹山と箱根山の山麓斜面に挟まれ、中央に黄瀬川が流れる地形となっている。黄瀬川流域には南北8㎞、東西2㎞のやや平坦な地形をもつ地域があり、この地域を中心として都市的な土地利用がなされている。
 富士・愛鷹山麓では、恵まれた環境を活かしたレクリエーション利用や、まとまった宅地利用が行なわれており、箱根山麓では研究開発型企業の立地が進められている。
 市街地においては、市域南部で土地区画整理事業が完了しているほか、近年、JR裾野駅を中心とする基盤整備が進められつつある。
 市内にある集団的優良農地は広大ではないが、これまでに農地基盤整備や農地集約が進められてきている。
 このような状況において、土地利用の方向性を次のようにまとめた。

《基本方針》
[1]山麓の自然環境の保全と適切な利用
 富士・愛鷹山麓及び箱根山麓の自然環境は、防災上及び景観上重要であり、国民的な財産であるため、これを保全する。また、美しい自然環境を活かした高原レクリエーション、研修・研究施設等の適切な利用を図る。

[2]環境との調和や災害の安全性に配慮した市街地内の高度利用の推進
 中心市街地においては、中枢性・拠点性を高めるため、駅周辺の土地区画整理などにより適正な高度利用を図る。
 人口増加に伴う宅地需要に対応するため、環境との調和や予想される東海地震に対する安全性に配慮しながら適正な都市的土地利用の推進を図る。

[3]良好な環境と融和した活力ある地域コミュニティ地区の形成
 美しい田園や農業用水のある環境に囲まれた、良好な環境をもつ地域を維持し、活力のある地域コミュニティの維持に必要な土地利用の推進を図る。

[4]快適な環境づくりへの配慮
 富士山や周辺の斜面緑地景観を生かした、美しく裾野らしい景観の創出を図る。
深良用水や市街地を流れる河川空間を活かした良好な水辺空間の創出を図る。
開発・整備については、ユニバーサルデザインなどの理念に基づき整備を図る。

[5]東名裾野インターチェンジ周辺の機能連携
 東名裾野インターチェンジ周辺は交通基盤の良さを活かした工業の集積を図るほか、富士・愛鷹山麓方面のレクリエーション機能と箱根山麓方面の観光機能との連携を高める。

[6]市民のまちへの誇りと愛着を深める
 土地の利用などに関する市民意識の高揚や市民参加の促進を図るとともに、市民のまちへの誇りと愛着を深めていく。

[7]広域的機能の充実
 日常生活の広域化や地方分権時代の到来に対応して、広域的観点からの土地利用、都市施設の配置を進めていく。東駿河湾環状道路をはじめとする広域ネットワークの充実を踏まえ、広域的な視野に立った機能の確保に配慮していくものとする。

《参考》
※国土利用計画法第2条(基本理念)
 国土の利用は、国土が現在及び将来における国民のための限られた資源であるとともに、生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であることにかんがみ、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配意して、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることを基本理念として行うものとする。

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2)土地利用区分別の基本方針

(1)農用地
 農用地は、農業生産基盤として欠くことのできない資源であるとともに、市街地に隣接した緑地空間及び治水・遊水機能をもつ土地として、地域環境の保全に重要な役割を果たすものであることから、生産性が高く、かつ、地域の特性を活かした農業の確立を推進するため、集団的優良農用地の確保・整備及び緑地空間としての保全につとめる。遊休農用地の有効利用につとめるとともに、流動化を促進し、将来の動向を見極めつつ、農業の生産構造、需要に対応した農用地の効率的利用を図る。また、富士山の眺望や美しい水辺環境を生かした環境教育、都市交流の視点から見た農地利用を進めていく。

(2)森林
 森林については、木材の生産という経済的機能を持つのみでなく、国土保全、水源かん養、災害防止、保健休養の場等公益的機能をも併せ持っており、市民生活に大きく貢献していることから、必要な森林の育成及び保全を図るとともに、優れた自然環境を形成する区域についても保全していくほか、適切な場所において環境教育の場として利用していく。
 また、今後の生活様式の多様化に対処するため、自然環境及び安全性に配慮しつつ森林公園等保健休養の場として、有効利用を図る。
 市街地及びその周辺に残された樹林は、良好な生活環境を確保する視点からも貴重であることから、都市緑地空間として保全していく。
 
(3)原野
 原野で、優れた自然環境を形成するものについては、その保全を図る。
 その他、未利用地となっているところは、地域の土地利用との調整を図りながら、農地、森林又は都市的土地利用への転換を推進する。

(4)水面・河川・水路
 水面・河川・水路は、洪水調節等の災害防止、水辺空間等の良好な生活環境の場として重要な投割を担っていることから、適切な管理と整備を図り、その利用につとめる。
 水面・河川・水路の整備にあたっては、河岸や水辺に形成する樹林等の植生や動物等の生息環境を保全し、市民に親しまれる水辺環境の形成につとめるほか、地域アメニティの保全・創出に配慮する。
 水路については、農業生産性の向上と水資源の有効利用を図るため、その整備につとめる。

(5)道路
 道路は、市民生活の向上、産業の発展に欠くことのできないものであり、また、交通量及び自動車保有台数の増加は今後も続くことから、東名裾野インターチェンジ、国道246号といった主要幹線道路等を結ぶ県道、都市計画道路について、安全性、快適性を十分考慮し計画的に整備を進め、交通のネットワーク化を推進する。
 市街地及びその周辺に見られる狭あいな生活道路は、生活環境、防災面等から継続して拡幅整備につとめる。
 農林道については、生産性向上及び適切な管理のため、必要な用地を確保する。
 なお、道路整備にあたっては、生活環境、自然環境の保全に十分配慮する必要がある。

(6)宅地
[1]住宅地
 住宅地については、今後予想される人口及び世帯の増加で相当の土地需要が見込まれる。これらの需要に対処するため、治水機能を確保しつつ、市街地開発事業を積極的に推進し、良好な都市環境の形成及び住宅の質的向上も図っていく。また、工場などの生産の場とは区分するようつとめ、快適でゆとりのある居住環境づくりを推進する。
 
[2]工業用地
 工業用地については、工業発展のための基盤づくりを進めるため、地域社会や自然環境との調和に配慮しながら、既存工業団地の拡張につとめる。
 また、住工混在地区解消のため、市街地内にある中小工場の移転、集団化を促進するとともに、既存工業用地の効率的利用及び未利用の事業所用地の活用も積極的に推進する。
 
[3]その他の宅地
 事務所、店舗等その他の宅地については、JR裾野駅周辺の中心市街地の計画的な整備として再開発を推進し、より高度な利用を図る。また、先端技術産業の振興のため、高度技術研究施設等の誘致を推進する。
 文教施設、福祉厚生施設などの公共施設について、行政需要の増大と多様化に対処し、計画的に必要な整備を図っていく。
 なお、東名裾野インターチェンジ周辺は、道路機能を最大限活用するため、流通業務施設や工場等が効率よく配置されるよう、計画的な土地利用に配慮する。

(7)その他
 レクリエーション施設やその周辺については、市民や市外からの来訪者が、市北部をはじめとする市内の広い範囲において余暇を楽しむことができるように、美しい景観や自然環境に配慮しながら整備を図る。
 演習場については、その必要性に鑑み、安全性の確保を図りながら、地元地権者と総合的な調整を図っていく。
 公園・緑地などの公共緑地等は、計画的に必要な整備をするとともに、市街地内の緑地は、公共空間として都市生活に潤いをもたらすものであることから、大小にかかわらず積極的に保存していく。
 文化的遺産については、過去よりのかけがえのない財産として、その保存につとめる。

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2 土地の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標

1)土地の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標

(1)目標年次は平成22年(西暦2010年)とし、基準年次は、平成12年とする。

(2)平成22年において、人口64,000人、世帯数23,700世帯を想定する。

(3)土地利用の区分ごとの規模の目標については、土地利用区分別の現況と推移に基づき、将来人口等を前提とし、また各種将来計画を参考に設定する。

(4)土地の利用に関する基本構想に基づく平成22年の利用区分ごとの規模の目標は、次表のとおりとする。

 
【土地利用目的に応じた区分ごとの規模の目標】
    実 績 推 計 面 積 増 減
平成11年 平成12年 平成17年 平成22年  H12~
H17
(ha)
 
H17~
H22
(ha)
 
H12~
H22
(ha)
 
面積
(ha)
構成比
(%)
面積
(ha)
構成比
(%)
面積
(ha)
構成比
(%)
面積
(ha)
構成比
(%)
 農用地 880 6.4% 869 6.3% 814 5.9% 759 5.5% ▲55 ▲55 ▲110
  農 地 878   867   812   757   ▲55 ▲55 ▲110
採草放牧 2   2   2   2   0 0 0
森 林 9,662 69.8% 9,662 69.8% 9,622 69.5% 9,577 69.2% ▲40 ▲45 ▲85
原 野 864 6.2% 864 6.2% 864 6.2% 864 6.2% 0 0 0
水面・河川・水路 157 1.1% 157 1.1% 158 1.1% 156 1.1% 1 ▲2 ▲1
  水 面 6   6   7   7   1 0 1
河 川 127   127   128   128   1 0 1
水 路 24   24   23   21   ▲1 ▲2 ▲3
道 路 592 4.3% 595 4.3% 604 4.4% 614 4.4% 9 10 19
  一般道路 530   533   541   550   8 9 17
農 道 23   23   22   21   ▲1 ▲1 ▲2
林 道 39   39   41   43   2 2

4

宅 地 1,017 7.3% 1,074 7.8% 1,174 8.5% 1,293 9.3% 100 119 219
  住宅地 516   533   571   622   38 51 89
工業用地 141   156   173   190   17 17 34
その他の 宅地 360   385   430   481   45 51 96
その他 667 4.8% 618 4.5% 603 4.3% 576 4.2% ▲15 ▲27 ▲42
合 計 13,839 100.0% 13,839 100.0% 13,839 100.0% 13,839 100.0% 0 0 0
 
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3 2に掲げる事項を達成するために必要な措置の概要

1)総合的な措置

(1)土地利用に関する法律等の適切な運用と土地利用転換の適正化
 市域の土地利用は、本計画を基本とし、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、森林法、裾野市土地利用指導要綱等に基づく指導、自然環境保全法、及び静岡県自然環境保全条例等の土地利用関係諸法令の適切な運用の徹底により、自然環境及び農林地の保全、歴史的文化的遺産の保存、治山・治水等に配慮し、総合的かつ計画的に推進するものとする。また、条例等の策定により、美しい景観の保全を図る。
 さらに、適正で調和のとれた土地利用を図るため、国土利用計画法に基づく土地取引の届出制度等を適切に運用することなどにより、投機的な土地取引を排除し、地価の安定につとめるとともに、遊休土地等の未利用地の有効かつ適正な利用を推進する。
 大規模な土地利用の転換にあたっては、その周辺地域及び河川の下流域等に及ぼす影響が大きいため、生活環境、自然環境及び社会環境について、総合的見地から事前に十分調査・検討し、適切な土地利用を図る。
 予想される神奈川県西部地震や東海地震に備え、災害に強い安全な土地利用を図る。

(2)山麓の自然環境の保全と適切な利用
 国土の安全を確保するため、森林法に基づく保安林の区域について、法の趣旨に従い、これを積極的に保全するとともに、この区域周辺についても同様の考え方で保全につとめる。
 自然公園法、県自然環境保全条例により指定された国立公園及び自然環境保全地域等の優れた自然環境は、積極的に保全するとともに、これらの区域周辺についても安定した生態系を保つため、区域内と同様の考え方で保全につとめる。
 箱根山麓、愛鷹山麓の急傾斜を有する区域及び表層地質に箱根火山浮石流、古期外輪山噴出物などの比較的脆弱な地質を有する区域については、保全につとめる。
 学術研究リゾートゾーンについては、周辺の自然環境に配慮しながら、研究開発型企業の誘致及び住宅・保養施設の誘致を進める。
 自然環境の保全に際しては、多くの市民の協力により、これを進めていく。

(3)環境との調和や災害の安全性に配慮した市街地内の高度利用の推進
 JR裾野駅周辺の市街地においては、快適で住み良い地域づくりを目指した土地区画整理事業により、高度利用を推進する。
 市街地内に見られる未利用地については、生活道路の整備とあわせて、宅地としての利用を進める。
 また、高度利用に際しては、建築物・構造物の耐震化や、避難地・避難路の整備をあわせて進める。

(4)良好な環境と融和した活力ある地域コミュニティ地区の形成
 深良・富岡・須山等の地域においては、歴史・文化、自然等の資源をうまく活用しながら、住宅、公園、地域商業拠点等の整備を計画的に進め、活力ある地区の形成を図る。

(5)東名裾野インターチェンジ周辺の機能連携
 東名裾野インターチェンジ周辺の工業集積ゾーンは、緑化に配慮しながら研究開発型企業の誘致を積極的に推進する。
 また、富士・愛鷹山麓方面のレクリエーション機能と箱根山麓の観光機能の連携を図るための道路交通網の整備を推進する。
 
(6)快適な環境づくり等への配慮
 学術研究リゾートゾーンや高原レクリエーションゾーンの利用に際しては、良好な山麓景観や富士の眺望景観を阻害しないよう、十分に配慮する。また、市街地内やその周辺においても裾野らしい景観の維持・形成に配慮する。
 静岡県福祉のまちづくり条例等の適切な運用により、ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりを推進する。

(7)市民のまちへの誇りと愛着を深める
 各種計画策定への市民参加を推進するほか、土地利用や環境づくりへの関心を高め、まちづくりへの積極的な参加を促進する。
 また、まちづくりのためのボランティア活動やNPO活動を育成・支援していく。

(8)広域的機能の充実
 関係市町村における調整のもと、東駿河湾環状道路の整備や富士山麓ファルマバレー構想に沿った広域的機能の充実を図る。

(富士山麓ファルマバレー構想):世界レベルでの高度医療・技術開発を目指し、富士山をはじめとする豊かな自然条件や首都圏に近接する有利な立地条件、健康関連産業の集積等のポテンシャルを生かしながら、静岡県東部地域を中心として、最先端の研究開発を促進することによって健康関連産業の振興・集積を図ろうとする構想。

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2)土地利用区分別の措置

(1)農用地

 黄瀬川沿い、大場川沿いの農地、市北西部の丘陵農地については、集団優良農地が多いので出来る限り保全する。
 農業振興地域内農用地については、本計画及び農業振興地域整備計画の基本方向に沿って圃場整備、農業用用排水路の整備等の農業基盤整備を促進し、生産力の向上を図り、これを保全する。
 このほか、治山上重要な保水・遊水機能の保全を図っていく。
農業経営志向の高い地区においては、農地の流動化を促進し、経営規模の拡大と生産性の向上を図る。
 今後は、商品価値の高い農産物の生産を進めるとともに、圃場整備の推進による集団的優良農地の高度利用を図る等、今後の農業経営の方向を具体的に示した農業振興地域整備計画を効率的に運用していく。
 また、富士の眺望やきれいな水を生かした観光農園、市民農園の整備により、消費者との交流を推進していく。

(2)森林
 森林は、木材生産の場のみでなく、国土の保全、水源かん養等多面的機能を持っており、木材生産とともに各種機能に配慮して保全につとめる。
 森林で国立公園、自然環境保全地域、保安林等の指定区域については、その法律の趣旨に従い、また、この区域以外でも自然環境上優れたものについて、留土の安全、水源かん養等のため積極的に保全する。
 富士・箱根・愛鷹の各山系の森林については、多様なニーズに応えるため、複層林施業、長伐期施業等の施業方法を導入するとともに、優良材生産林、有用広葉樹等の造成のため、新たな施業技術の導入・定着を図る。
 また、今後の林業経営について、保育管理の協業化や森林組合等に委託するなどの改善を図るほか、市民の活動を主体とする緑の保全活動を支援・育成し、市民が参加して環境を守っていく仕組みを構築する。

(3)水面・河川・水路
 水面・河川・水路について、従来の治水に加え、今後は、生き物にやさしく、親しみをもてる水辺空間の整備をしていく。それには周辺事情を考慮し、河川の自浄能力を保つように配慮し、自然植生などによる自然堤防の活用や河川敷を広く設けた空間のある堤防など、生物の生育・生息環境の保全と生活環境にゆとりと安らぎを与える河川緑地空間を創造していく。
 佐野川の中流部の景ケ島渓谷については、県の水辺環境保全モデル地域に指定されているので、これを含めその流域周辺の環境を保全する。
 深良用水は、用水周辺の水辺環境や用水の持つ歴史性を活かした周辺整備を図る。

(4)道路
 道路についは、国道246号及び東名裾野インターチェンジに接続する県道、市道の整備を推進し、合わせて富士・愛鷹山麓方面と箱根方面の観光ルートとして、県道仙石原新田線及び国道469号の早期整備について、関係機関への働きかけをおこなう。
 また、市域の南部を通り三島市を経て伊豆へ抜ける東駿河湾環状道路の建設を推進し、交流ネットワークの一端を整備する。
 市街地の骨格を形成する都市計画道路は、その完成を目指す。
 農道、林道については、農業経営、林業経営の上で必要なものであり、そのための用地の確保を図るとともに、適正な管理につとめる。

(5)宅地
[1]住宅地
 快適で暮らしやすい中心市街地を目指して、JR裾野駅周辺において土地区画整理事業を推進する。
 また、増加する人口による住宅地需要に対処するため、市中心部のスプロール化を防ぐとともに、治水機能を確保しつつ、既存市街地に接続して新たな用地の確保を図る。
 東名裾野インターチェンジ周辺、久根・公文名の宅地整備、新駅周辺の整備については、社会情勢の変化を見ながら計画的な整備を検討していく。

[2]工業用地
 工業用地については、ファルマバレー構想等を念頭におきながら、須山地区の既存工業団地周辺に企業誘致を図り、学術研究リゾートゾーンにおいても、先端技術産業の振興のため、研究開発型企業の高度技術研究施設、保養施設等の立地を誘導していく。
 また、住宅地に混在する工場等の郊外移転や集団化を促進する。

[3]その他の宅地
 その他の宅地として、裾野駅周辺の土地区画整理事業を推進するほか、JR岩波駅周辺などの拠点整備を行い、商業業務施設用地を確保するとともに、高層建築物等による高度利用を図る。
 公共公益施設についてはその必要性に鑑み、施設用地の確保を図る。その際、用地の有効利用を図るため複合施設により対処する。

(6)その他
 観光及び健康保養のためのレクリエーションの場として、富士山麓の既存施設周辺において、景観等に配慮した環境整備につとめる。
 富士・愛鷹山麓から東名裾野インターチェンジに至る地域においては、富士の景観や地域資源に配慮しながら、ヘルシーパーク裾野等との連携のもとに、多くの人が利用し、楽しむことのできる公園の整備等、高原レクリエーションゾーンとしての機能向上を検討していく。
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4 地域別の概要と措置

1)地域別の区分
 本計画では、富士、箱根、愛鷹の各山麓に接する本市の地形と社会的、経済的、自然的及びその他諸条件を基に、南部・東部地域と北部・西部地域の2地域に区分し、この2つの地域の土地利用特性に応じた、主な整備施策を立てるものとする。
地域区分 地   区  名
北部・西部地域 須山、富岡地区
南部・東部地域 東、西、深良
地域区分図
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2)地域別の概要と措置

(1)北部・西部地域
 《概況》
 須山地区、富岡地区からなるこの地域は、富士山麓の裾野に位置し、貴重な山麓の緑は、国有林等として保全されている。このほか、近隣には環境の良さを利用した観光・リゾート施設が立地し、多くの観光客でにぎわっている。
 地域内には千福ニュータウンが整備されているほか、新たに呼子ニュータウンが整備されている。
 東名裾野インターチェンジ北東側に研究開発等を主体とした工業が集積しており、拡張、誘致が進められている。
 近年、南外周道路沿道にヘルシーパーク裾野が整備されたほか、近隣にサッカーグラウンドが整備されている。
東名高速道路東側や演習場周辺のまとまった農用地や、集落に介在する農用地では、水稲・芝の生産がおこなわれている。

 《措置の概要》
 この地域は、先端技術産業などの工業集積と、観光産業の充実を図る地域として位置づける。
 御宿地先から須山地先にかけては、他の土地利用との調整を図りながらエレクトロニクス、バイオテクノロジーといった先端技術産業等の誘導により、既存の工業地域と併せ工業集積ゾーンとする。
 富士山麓及び山麓の幹線道路沿道は、高原レクリエーションゾーンとして、自然と調和した観光レクリエーション産業の充実を図る。ヘルシーパーク裾野に隣接し、多くの人が自然とふれあい楽しむことのできる公園を整備する。
 東名裾野インターチェンジ周辺については、面的整備により宅地需要に対処するほか、観光や工業・流通等の産業充実のための拠点とする。
 愛鷹山頂から周辺にかけての天然ブナ林、アシタカツツジ群生地、野生動物の生息地など貴重な自然環境を有する所を保全するとともに、その他の森林についても治山、治水、水源かん養等のためその保全につとめる。
 地域内の農地については、流動化を促進していく。須山・下和田地区では芝の作付け土壌の復元を図り、このほか、都市住民が農業に親しむことができる市民農園を整備する。


(2)南部・東部地域
 《概況》
 東地区、西地区、深良地区は箱根山麓西側から黄瀬川右岸の一部を含む地域である。
 稜線周辺が国立公園に指定されている箱根山麓西側には、良好な森林が広がっており、緑の豊かな裾野の自然景観を創出している。山麓北端には、キヤノン富士裾野リサーチパークが整備されており、先端的な学術研究の拠点となっている。
 市街地では南部土地区画整理事業が完了し、市街地南部の都市基盤が整えられた。また、JR裾野駅を中心とした市街地内での宅地化が進んでいるが、計画的な生活道路の整備が遅れている。
 市街地周辺の農用地はイチゴ、ヒノキ苗などの栽培に利用されているほか、深良地区では水田として利用されている。
 河川整備は各所で進められており、平成3年には小柄沢緑地公園が開園している。

 《措置の概要》

 この地域は、都市基盤整備に力をおき、商業・居住環境の整備、学術研究リゾートゾーンの整備を推進する地域として位置づける。
 当地域には、本市の中枢的位置をしめる市街地があり、この市街地の計画的な土地利用を推進する必要がある。このため、JR裾野駅を中心とする地域を市街地高度利用ゾーンとして位置付け、土地区画整理事業を推進するとともに、地域内道路の整備により中心市街地の高度利用を図る。JR岩波駅周辺についても、商業、観光、交流の場として拠点整備を推進する。また、JR御殿場線の輸送力増強のため、関係施設整備の推進を図る。
 宅地需要に対し、富沢、佐野、深良地区で土地区画整理事業の検討や、地区計画等の導入による計画的な宅地化を推進していく。このほか、狭あい生活道路の拡幅、公共下水道等の整備により、既存市街地の居住環境の整備を進める。また、快適な居住環境を保つため、市街地内緑地の保全につとめる。
 箱根山麓に、高度技術研究、中小企業団地及び保健休養の場として、学術研究リゾートゾーンの整備を図るとともに、森林については水源かん養、下流域の湛水注意箇所に配慮しつつ、治山、治水などの多面的機能をもつ場や、木材供給の場としてその確保を図る。また、都市住民が農業に親しむことのできる市民農園の整備を進めるほか、深良地区においては優良な利水環境を形成するための整備、西地区においては土地基盤整備事業を進める。


 《参考:ゾーン別の方針》

高原レクリエーションゾーン
国立公園を除く富士山麓と山麓の幹線道路沿道を位置付ける。本ゾーン内においては、周囲の自然環境との調和を図りながら、観光レクリエーション産業の立地を促し、多くの観光客の訪れる地域を目指す。

工業集積ゾーン
御宿地先から須山地先までの地域を位置付ける。本ゾーン内においては、他の土地利用との調整を図りながらエレクトロニクス、バイオテクノロジーなどの先端技術産業等の誘導により、既存の工業地と併せた工業集積を目指す。

市街地高度利用ゾーン
JR裾野駅を中心とする市街地部分を位置付ける。本ゾーン内においては、土地区画整理事業をはじめ、地域内道路整備等の基盤整備により、市街地の高度利用を目指す。

学術研究リゾートゾーン
市街地東部に隣接する箱根山麓を位置付ける。本ゾーン内においては、高度技術研究、中小企業団地及び保養の場として利用していく。

土地利用構想図
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